日本にいたからこその早期発見、けいりゅう流産 - 2
- 2022.09.18 Sunday
- 12:15
前回から時間が経ってしまいましたが、今回はけいりゅう流産と診断されてからの続きです。
病院の外でBebeと一緒に車の中で待っていた母に連絡を入れ、私は会計を済ませてから合流しました。
何と言って良いのか分からず、この突然の状況に心がついていかなかったのか、涙すら出てきませんでした。
なので単純に、"ダメだったみたいだね"としか、それについてその時は語りませんでした。
その後車中でBebeが寝てしまったため、行く予定だった公園の駐車場で母と淡々と、第三者的に今後について話しました。
その時にネットで、心拍が泊まっているという診断を受けた後、奇跡的に赤ちゃん復活!という記事を見つけ、誤診と疑うわけではないけれども、やはりセカンドオピニオンをもらった方が良いのではないか?という結果になりました。
そして、その数日後に別の産科へ。
本来ならばセカンドオピニオンをもらいに来たということを告げるのが道理なのかもしれませんが、どうしても一から見てもらいたくて、先生には今回が初診だと伝えました。
結果は…
同じく心拍を確認することができませんでした。
ただここの先生はとても親身な方で、"今回は心拍を聴くためにうちに来てくれたんだよね?だから、突然こんなこと言われても受け入れられない気持ちはよくわかる。もしかしたら何かあったのかもしれないし、今日ここで決断するのではなくて、もう一週間後にもう一度見てみましょうか。それでもしまた同じ結果だったら、その時は受けれるしかないかもしれない。セカンドオピニオンをもらいにほかの病院に行ってくれても構わないよ。"
"心拍を聞くために…"
これを言われた瞬間に、初めて涙が止まらなくなりました。
そう、その通り。心拍音が聴きたかったんだ…。一回で良いから、生きている音を聴きたかった。
それと同時に万が一結果が同じであれば、こうやって患者の身に寄り添ってくれる先生に処置していただきたい、と強く思い、最初の病院の手術予約をキャンセルすることにしました。
私の中ではもう駄目なのかもしれないという気持ちと、二回目の方が若干大きかったし(角度の差だとは思いますが)、悪阻もあったのでもしかしたらまだ奇跡は起こるかも!という五分五分の気持ちでした。
そして二回目(合計で3回目)の診察。
結果は…
同じく心拍確認できませんでした。
しかも、若干小さくなってた。
3回目の正直、諦めが悪い私でもさすがに3回とも同じ結果で赤ちゃんも大きくなっていなかったら、認めるしかありませんでした。
それから手術の予約を一週間後に入れて帰宅。
この間は不思議な精神状態でした。
日本に帰ってきて嬉しい気持ち、Bebeに初の日本を思いっきり楽しませてあげたいと願う気持ち、お腹の中にまだ赤ちゃんがいるんだという不思議な気持ち、これからこの子がいなくなってしまうんだというやりきれない気持ち…
やるせないですよね。
そして、いざ手術の日。
この病院は個人の産婦人科だったので、出産と中絶・流産手術の場が分けられていません。
なので、手術待ちの間にこれから出産を控える妊婦さんを見かけたり、叫び声が聞こえたり…
待っている間は不思議なくらい気持ちは落ち着いていたのですが、いざ手術台に上がって"大丈夫ですか?"と看護師さんに声をかけられた瞬間…涙が溢れてきました。
その時ちょうど隣の部屋で産声が!
あ、産まれたんだ。ママ、頑張ったね。赤ちゃん、頑張って産まれてきたね。
この時の感情、自分でも驚くくらい祝福の気持ちでいっぱいでした。
失われる命もあれば、産まれてくる命もある。このお母さんが、どんな思いをしてこの出産に辿り着いたかなんて、誰にも分からない。
出産って、産まれるって、奇跡だ。
それを本当に同時に感じた瞬間でした。
涙が溢れて気が動転している私の手を、看護師さんが親身になって握っていてくれました。
その後、最後の確認をして同じ結果だったので、手術に移行。
そして処置は無事に終了しました。
一週間後の検診では、先生が開口一番に"うちは小さい病院だから、あの時ちょうどお産が重なっちゃっていたんだよね。申し訳ないなと気になってたよ。ごめんなさいね。"と、気を遣ってくださいました。
その気持ちだけでとっても癒されたので、先生にお礼と、また看護師さんにもお世話になったことを伝えてもらえるようお願いしました。
今回のことで感じたのは結果が同じだったとしても、寄り添ってくれる先生やスタッフの方の下で処置をするのと、事務作業的に処置をされるのでは術後の精神状態が違うんだろうな、ということです。
けいりゅう流産は自覚がないから、結果に納得するまでに時間がかかると思います。
けいりゅう流産でなくとも、流産ってすごく悲しい出来事で完全に立ち直るのなんて難しいのではないかな。
ただその辛い時に、ましてや赤ちゃんを取り出してくれる先生がとても親身な方だったら、子を亡くした母にとってはせめてもの救いなのでないかな、と。もちろん家族等からのサポートも大切ですが。
お空に帰ってしまった我が子に伝えたいこと。
たった8週間だったけど、与えられた命を大切に扱ってくれる人たちに出会えて良かったね。
あっと言う間だったけど、妊婦としての幸せな気持ちをもう一度感じさせてくれてありがとう。
命の大切さ、もろさを再確認させてくれてありがとう。
私のお腹に宿ってくれてありがとう。感謝しかない!
そして本音は、そのままお腹にいてくれていたら…今月生まれていたよね。